滞仏植物記

植物のかたちを研究する学生のフランス滞在日記

街を歩くーLes estivales, ファーブル美術館, Palavas-les-Flots

 今回はばっちり「観光」的な内容でお送りします。

先週、このブログで「les estivales」の話題を出しました。

その時は疲労のせいにして肝心の会場までは入らなかったのですが、2018年最後の機会となる今回はしっかり中を見てきました。

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les estivales の様子。あちこちに出店や屋台が出ています。

 

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ここモンペリエはワインの生産が盛んなラングドック地域に属しており、いくつもの生産者、すなわち「ドメーヌ」が存在しています。実際、いまぼくがお世話になっている研究機関でもワインのプロジェクトはいくつもありますし、アメリカとの国際的な協力によりワインの壊滅的打撃を乗り越えた…といったエピソードも小耳にはさむことがありました。les estivales では多彩なドメーヌが自分たちの自慢の製品を引っ提げて代わる代わる出店していて、5ユーロ支払うことでグラス2杯をそれぞれ好きなドメーヌの屋台で継いでもらえます。

 

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海がすぐ近くですから、この牡蠣はおそらく地元のものでしょう。6個入り、とあったのですが7個あるのに食べ始めてから気付きました。おまけしてくれたのでしょうか?

 

気付いたこととして、食べ物の屋台はスペインの料理が多かった印象を受けました。モンペリエはパリに出るよりもスペインとの国境を跨ぐほうが近いですから、その影響かもしれません。文化的にもひょっとするとスペイン北部のほうが親和性がある…なんてこともあるのかもしれません。

 

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家路。夏の金曜の夜の間だけ現れるというのがノスタルジックでちょっと幻想的でした。

 

さて、お次はコメディ広場近辺の探索です。こちらはファーブル美術館。

画家フランソワ=グザヴィエ・ファーブルのコレクションをもとに1828年に開館したそうです。http://museefabre.montpellier3m.fr/(フランス語です)

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看板がよく見えないのでもう一枚。

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日本でメジャーな作品はそれほど多くないのですが、作品数はかなりあり見ごたえがあります。いきなり保存修復のコーナーから始まるのはちょっと意外というか、攻めてるなあと感じましたが、ぼくは割と興味ががあるので結構楽しめました。

ここにある作品はただ産み落とされたまま放っておかれているわけではなく、プロフェッショナルたちによって見守られ継承されて、初めて観客である我々がそれらを見、なにがしかの鑑賞体験を得ることが出来るのだ…というメッセージを感じるというか、「時間に対する敬意」を感じるからです。作品を介して数世紀の時間を超えた対話(のようなもの)の機会を与えてもらっているという——いったい誰と、あるいは何とかはわかりませんが——ことをそれとなく示されたようでした。

 

コメディ広場近辺でもう一つ。ポリゴン Polygone の存在はここで生活するうえで非常に心強く思いました。大型ショッピング施設でなんでもそろいます。今後も幾度となくお世話になると思います。もしモンペリエに長期滞在する方は早めに一度行くと何かと安心できると思いますよ。

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 最後はすこし市街から離れます。美しい海を体験できる Palavas-les-Flots です。

https://www.montpellier-tourisme.fr/Preparer-Reserver/Decouvertes/Escapades-en-region/Plages/Palavas-les-Flots

トラム4番線とそこから出ているバスを乗り継ぐことで1時間弱でたどり着けます。

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ジブリアニメに出てきそうな港町。観光客でにぎわっています。

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磔刑に処されるキリストの像。

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浜まで出ればもちろん泳ぐこともできます。

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船の合間には魚の影が。

 

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というように、週末は満喫させていただきました。

研究の毎日もとても楽しいのですが、こういう心和む体験を蓄積することも滞在の総合的な豊かさを高めるために不可欠だと思います。本当に良い体験をしました。