滞仏植物記

植物のかたちを研究する学生のフランス滞在日記

霜月来る

11月1日。二日前に植物採集を終える。予定していた採集を何とか完了。思い出せば、8月にモンペリエに着いてからもいろいろと計画を変更した。日本から物資を送ってもらったり、予備実験をやっていただいたりもした。協力してくださったすべての人に感謝。あとはきちんと輸送して実験に使うのみ。植物検疫は6日に予定。

その夜、外に出ると満天の星空が見えた。とても寒いが、スイレンの葉の影のあいだに星が映って言いようもなく美しかった。ひとりビールを飲みながらしばらく眺める。

 

昨日は花園よりモンペリエに戻る。列車、途中まではよかったがトゥールーズ過ぎたあたりから止まりがちになり結局3時間半で着くところ7時間もかかった。やはりカルカッソンヌの災害のせいだろうか。今回はトラブル続きでかなり骨を折った。長いこと列車に閉じ込められ、過労からか心身の具合が悪くなる。一時は激しい息苦しさや寒気を感じたが、自宅でよく眠りいちおう回復。

 

11月1日は祝日で街はいろいろと休み。ぼくも昼寝したりして、一日しっかり休ませてもらった。日本旅行から家主ご夫妻が戻ってきていたので朝少し話す。日本のお酒…焼酎の「大魔王」など…をお土産に買ってきた模様。「串カツ」と書いた提灯には思わず笑ってしまった。その日の夜のディネに誘われた。時折、ご夫妻はかなり手をかけて(時にはその日の朝から)夕食の料理を作る。この日も朝からキッチンに食材の準備進められていて期待。お誘いには「是非」と答えたので、この記事を書いたらご一緒させてもらうことになるだろう。日本旅行の話など聞こうと思う。ぼくも来週には日本だ。友人やなかまたちに会えるのはうれしい一方、なんだか少し寂しい気もする。