我らが海
こちら9月29日です。トラムの一番線に乗ってぶらぶらとしていると、Odysseum 駅の近くに水族館(というより科学館?)を見つけました。全く予定外でしたが、せっかくなので入ってみることにしました。
外見はこんな感じ。
水族館の看板に書いてある「MARE NOSTRUM」というのはラテン語で「我らの海」を意味し、地中海のことを指すようです。
モンペリエは地中海がすぐそこですからまさにぴったりでしょう。隣接する宇宙館のほうへ水族館から連続しているので「人類の住む地球という巨大な海」をも指しているのかもしれません(と、どこかに書いているのかもしれませんが、解説類はだいたいスルーしてしまったのであっても見逃したと思います。)
今日は土曜ですがあまり人は多くありませんでした。おかげでゆっくりと見れました。生体展示は控えめな印象です。個人的には地味な魚が丁寧に展示されているのとか、なんとなく陰気…というか静謐な水槽のほうが、カラフル原色系の魚が舞い踊っているより好きなのでこれもよかったです。
展示そのものはいろいろ工夫されてます。入っていきなり鏡張りの部屋で、青い照明が雰囲気を作っています。と、上からバシャンと水の音。見上げれば天井にモニターがあり、裸の男女が飛び込んでくる映像が流れています。どうやらすでに海中への旅が始まっているということのようです。
北斎です。
水槽を眺めながら進んでいくと凝った「舞台装置」が。
探査船を完全再現です。モニターに嵐の海が広がり、それに合わせるかのように床が揺れるアトラクション的な要素のある部屋もありました。そして冒険は深海へ…。
ジュール・ヴェルヌの『海底二万哩』のような雰囲気。まるでネモ船長の研究室のようです。
「博物学者」や「驚異の部屋」が大好きなぼくにとって、今回もっとも琴線に触れたのがこのディスプレイ。いかにもという感じです。だがそれがいい。奥の青い球体型水槽を覗き込むと…
水槽の縁でアンコウがこちらを睨んでいました。ちょっと驚きました。
大水槽では身の丈より大きなサメの勇ましい遊泳が堪能できます。ノコギリザメの沈黙もまたカッコよい。
水族館の最後はクラゲの幻想的な群泳(浮遊?)で締めくくりです。この先は宇宙館。
実は宇宙館のほうはあまり写真撮ってません。アトラクション的なものがメインで、写真それ自体で見ごたえがある感じではなく…(すみません)。それから、カメラに写った鑑賞者にリアルタイムに反応するタイプのアトラクション(モニター上のトドと戯れられるとか、カメラの前で動き回る自分の姿が宇宙服を着たものになるとか)がいくつもありました。それはそれで楽しいものですから、それらについてはぜひご自身で体験を。
さらに言うと、ほかにもペンギン水槽(小型のサメと混泳という意外さ)や熱帯雨林を模したテラリウムなど、この記事にはいろいろ載せていないものもあります。やや割高なチケット代でしたが、それなりに楽しい施設だと思います。