滞仏植物記

植物のかたちを研究する学生のフランス滞在日記

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

雨ニモ負ケズ

10月28日。思ったより寒くなった。気温は3度。雨。水中の植物を採集するにはあまりにきつい条件だ。上からも下からも水が入ってきて、冷たいを通り越して刺すように痛い。寒くて全身が震えながらの作業。そんななので思うように植物が集まらない。採集の状況…

トゥールーズ、そして第二回植物採集へ

10月27日。第二回目の植物採取に来る。前日、トゥールーズに滞在。ディアヌ宅に泊めていただきご家族から暖かいおもてなしを受けて感激した。ディアヌとは今年2月以来。熱い栗を食べながらトゥールーズの古い街並みを案内していただいたり、夕飯に鴨肉料理や…

巴里を歩く―フランス国立自然誌博物館

昨日の記事に引き続きパリの記事です。今日は10月19日に訪問した「国立自然誌博物館」についての記事です。その名が示す通りここもまたデロールと同じように自然誌――つまり博物学にまつわる場所です。それも世界屈指の規模の。 「フランス国立自然誌博物館」…

巴里を歩く―カルチェラタン散策、デロールDeyrolleへ

お久しぶりです。植物採取から巴里散策を経て疲労困憊し、また少し間が空いてしまいました。今回は前回仄めかしたパリ散策のことを書きます。日付は10月18日にさかのぼります。 前回書いた通り、今回の宿泊先はパリの学生街として有名なカルチェラタンです。…

フィールドワーカの長い一日:そして巴里へ

結局、しばらく更新が止まってしまいました。植物採取は当初想像していたよりもだいぶ骨の折れる作業となりました。なにせあまり人のいないところですし基本的には一人での作業ですので……しかも最近は気温が下がり水が冷たいです(水生植物を採ってました)…

圃場到着

こちらは10月11日。ついに植物採取のためモンペリエを離れ、とある花園にやってきました。17日まで泊まり込みでの作業になりますが、ここが正念場ですから頑張りたいと思います。 さて、今日の記事はお知らせにとどめます。本当はいろいろと写真を交えて書き…

つつがなしや、ともがき

いよいよ明後日から植物採取。準備は概ね整えたられたはずだ。緊張するがフィールド作業は好きなので楽しみでもある。ここのところは数式とにらめっこする毎日だったから(これはこれでよいのだけど)実際の花が恋しい。ただ、雨が心配。今週のモンペリエは…

Le Bleuet de France

ご存知の通り、ユーロ硬貨のデザインは国によって異なります。例えば、フランスの 2 ユーロは「自由・平等・友愛」の象徴。ほかの国では(どこだったか忘れました)君主の肖像とか、あるいはそれそれの文化に由来する事物が刻まれています。 それなりに色々…

ドイツ植物学史との遭遇

このところ研究で忙しく筆が滞りました。おかげさまで来週の進捗報告には少し成果を見せられそうです。この先もうまくいけば植物形態の研究としては割と新しいアプローチを打ち出せるのではないでしょうか(と言うのはぼくの弁ではなく指導教官のヌヴ氏)。 …

折り返し地点

もう10月になりました。 すでに滞在期間は折り返し地点を過ぎ、後半に入っています。 ここからはパリやトゥールーズへの訪問や共同研究先での植物採取が予定されており、モンペリエを離れることが多くなります。慣れつつある街を離れるのは少し不安ですが、…