滞仏植物記

植物のかたちを研究する学生のフランス滞在日記

関数ひとつ + 「紀行」のはなし

今日は INRA/SupAgro で作業。思うように捗らず、結局簡単な関数ひとつ足しただけ。わずかでも無いよりましと思って良しとする。肝心の難しいところのアイディアはもう少しで浮かんできそうな気もするが、どうなるだろう。いずれにせよ20日にミーティングがあるので、それまでにやってきたことと考えていることをまとめておこう。全体としては面白いところの多いテーマだが、公開されているここに書けないのは残念だ。やりがいのある仕事なので色々書きたいのだが。

 

昨日の帰りに小さくて安いワインを買ってきた。これから飲もうと思う。

 

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このブログをある方に読んでもらったところ、頂いた短いコメントの中に「紀行」という表現がありました。確かにこれは紀行ものの類に含まれるでしょう。なるほどと思いました。

それにこれまで気付かなかった理由の一つは、あわよくば後々このブログを次のようなテーマでまとめた忘備録として残していく計画——あるいは打算があったからでしょう;

植物、植物学、園芸学、農学、博物学(含む「驚異の部屋」)、市民科学、「理科趣味」、その他…

耳慣れない言葉もあるかもしれませんが、今はそれはそれということで置いておいてください。それぞれのキーワードに対する思い入れはいずれ説明するかもしれません。

もうひとつの理由はタイトルの「滞仏」は朝永振一郎博士の『滞独日記』からとったから、という経緯にあります。これも言ってみれば一種の旅行記…でもあるのですが、どちらかというと(少なくとも岩波文庫に収録されている抄を読む限り)挫折や不安と格闘する若き日の朝永博士の姿が印象的な一篇で、あまり「旅をしている」感はないです。のちのノーベル賞受賞者もかつては大いに悩み苦しみぬいた時代があったのだ…という点に一種の慰撫を覚えて付けたタイトルであるわけですが、「紀行」という響きもみずみずしい感じで今にして思えばいい選択肢でした。「仏蘭西植物紀行」とか。ちょっとレトロな表紙で本になってたら見栄えがしそう。